地域の魅力を再発見! 旅行業・観光業におけるオリジナルツアー企画のポイント

空港でキャリーバックを持ちながら電話をかける女性

宮崎 祥一 / ブランドプロデューサー

SAS Institute、Teradata、Honeywellなどの国際的企業において、アナリティクスサービスのビジネス開発を担当。海外で実績を積んだ最先端のアナリティクス手法を、日本の主要企業に導入。ハイテク、金融、医薬、通信、家電、流通、小売、飲料、食品、通販業界など、幅広い分野の企業に対する支援を行う。アナリティクスの適用範囲は、マーケティング分析、リスク管理、品質管理、需要予測、在庫最適化など多岐にわたる。データ分析とブランド構築の戦略を融合させる新しいアプローチを提供するため、株式会社アルファブランディングを創業。価格競争に陥らない強固なブランド構築をサポートしている。

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今日の論点


地域の魅力を再発見!

新型コロナウイルス感染症の影響により、旅行業や観光業は大きな痛手を受けてしまいましたが、2023年5月から5類感染症へと移行したことに伴い、今後、徐々に業績も回復していくことが見込まれています。

 

今回は私どもが提供しているコンサルティングサービスの主軸である「価値共有マーケティング(Authentic Marketing / オーセンティックマーケティング)」を、旅行業や観光業に活用する際の手法や注意点などをまとめました。



目次


1. 旅行業・観光業の課題とその解決策


京都の町を歩く女性の後ろ姿

1.1 今日の旅行業・観光業の課題とその解決策

旅行業や観光業は、今日さまざまな課題に直面しています。その一つが、競争の激化と旅行市場の多様化です。これにより、一昔前の一般的なパッケージツアーだけではなく、よりパーソナライズされた体験価値の高い旅行プランが求められています。

 

また、グローバル化の影響で、多様な文化的背景を持つ旅行者が増えていることも、課題の一つです。これにより、一つの地域、一つの文化だけに特化した旅行プランだけではなく、様々な視点から楽しむことができる多文化的な旅行プランが必要とされています。

 

これらの課題を解決するための方法として、価値共有マーケティング(Authentic Marketing)が挙げられます。これは旅行業者が地域の本来の価値や魅力を見つけ、それを旅行プランに反映することで、旅行者が地域の魅力を直接体験することができるという手法です。

 

これにより、旅行業者は旅行市場の多様化に対応した、パーソナライズされた旅行プランを提供することが可能となります。さらには地域の魅力を再発見し、それを旅行者に伝えることで、多文化的な視点から楽しむことができる旅行プランを提供することも可能となります。


1.2 価値共有マーケティングの概要とその有用性

「価値共有マーケティング(Authentic Marketing / オーセンティックマーケティング)」は、企業が自社の商品やサービスの本質的な価値を消費者に伝える手法です。これは商品やサービスだけでなく、企業のブランドや理念などの、総合的な価値を含みます。価値共有マーケティングの核心は、顧客との強い絆を築き、長期的な関係を維持することです。

 

一方で、価値共有マーケティングは、情報の透明性と真実性が重要となります。企業は顧客に対して誠実で、公正であることを求められます。消費者は、自分が購入する商品やサービスがどのように作られ、どのような価値が提供されるのかについて、詳しく知りたいと思っています。それにより、消費者は自身の価値観に基づいて選択を行い、より深い関心と理解を持つことができます。

 

旅行業や観光業における価値共有マーケティングは、地域の魅力や特色を旅行者に伝え、深い理解と経験を提供する手段となります。地域の文化、歴史、自然環境などの独自性を活かすことで、単なる観光地巡り以上の、地域と深くつながった体験が可能となります。

 

これにより、旅行者は単に商品を購入するだけでなく、地域そのものとの繋がりを感じ、地域の価値を共有することができます。企業が旅行者の信頼を獲得すると、彼らは自分の経験をクチコミで広め、新たな顧客を呼び込む役割を果たします。このような体験は、旅行者にとって大変魅力的であり、旅行業者にとっては独自の価値提案となり、競争力を向上させる大きな要素となります。

 

麦わら帽子をかぶった白い服の若い女性


2. 価値共有マーケティングを活用したオリジナルツアー企画のポイント


Stragegyと書かれたパズルのピース

2.1 地域の価値を見つける

地域の魅力を引き立てるオリジナルツアーを企画するためには、まずその地域の本質的な価値を理解することが必要です。そのための第一歩は、リサーチと地域コミュニティとのコミュニケーションです。

 

まず、リサーチについてですが、地域の歴史、伝統、文化、風景、地元産品など、その地域ならではの要素を深く掘り下げて調査します。また、地域内の施設、ショップ、レストランなども調査の対象に含め、訪れる旅行者に何が提供できるのかを洗い出します。

 

次に、地域コミュニティとのコミュニケーションについて。地域の人々との直接的な対話を通じて、地域の生の声を聞くことが大切です。地元の人々が地域をどう捉え、どのような誇りを持っているのかを知ることで、その地域の真の魅力を理解することができます。

 

これらの情報収集を通じて、旅行業者はその地域が持つ本当の価値を発見することができます。また、それを元にしたオリジナルツアーを企画することが可能になるのです。これは、地域の魅力を最大限に引き出すことにつながり、旅行者にとって魅力的な体験を提供するための基盤となります。


2.2 顧客に魅力を伝える

地域の価値を見つけ出し、その魅力を発見したら、次のステップはそれを顧客に伝えることです。そのためには、ストーリーテリングとコンテンツマーケティングが重要な役割を果たします。

 

ストーリーテリングは、地域の歴史、文化、風土といった要素を織り交ぜ、一貫性と情緒を持った物語を作り出す技術です。ストーリーテリングは情報を理解しやすくすることに加えて、記憶に残りやすくすることができます。これにより、顧客はその地域に対して、深い理解と共感を持つことができます。顧客がその地域に深い愛着を感じ、再訪したいと思うようになるための重要な要素となります。

 

一方、コンテンツマーケティングは、その物語を効果的に顧客に伝える手段です。ウェブサイト、SNS、ブログ、メールマーケティング、パンフレット、PR活動などを通じて、顧客が簡単にアクセスでき、興味を持つ情報を提供します。また、顧客の興味・関心・ニーズに合わせて情報をパーソナライズすることで、より魅力的なメッセージを提供することが可能となります。

 

これらストーリーテリングとコンテンツマーケティングを組み合わせることで、旅行業者は地域の魅力を顧客に効果的に伝え、彼らがその地域を訪れるきっかけを作ることができます。

 

古いタイプライターを打つ女性の手
ペンで頭を書きながらノートを見る黒い服の女性

2.3 体験価値の提供

旅行者にとって、地域の魅力をただ見るだけではなく、直接参加し、自身で体験することが非常に重要です。そのためには、顧客参加型の活動とインタラクティブな体験の提供が必要です。

 

顧客参加型の活動とは、旅行者が積極的に関与し、体験することができる活動のことを指します。これは地域の工芸品作り、料理教室、伝統的な祭りや儀式への参加など、さまざまな形で提供できます。この種の活動は、旅行者が地域の文化や生活を自身の手で体験することを可能にし、旅行者にとって、旅行の体験価値を高めることに寄与します。

 

一方、インタラクティブな体験とは、旅行者が自身の行動によって体験が変化し、新たな発見や学びがある体験のことを指します。これはテクノロジーを活用したAR(拡張現実)やVR(仮想現実)のガイドツアー、地元の人々との対話を通じた文化体験など、さまざまな形で提供できます。

 

これらの顧客参加型の活動とインタラクティブな体験を組み合わせることで、旅行業者は地域の魅力を旅行者に深く理解させ、記憶に残る体験を提供することができます。これは、旅行者がその地域を再訪したいと思うようになるための重要な要素となります。



3. 価値共感マーケティングを活用したオリジナルツアーの企画案


湖でボートに乗る女性の後ろ姿

3.1 企画案:地域資源を活用

北海道の特徴を活かしたオリジナルツアー企画として、「北海道自然体験と海産物グルメツアー」を考えてみましょう。

 

まず、ツアーは地元ガイドと共に、北海道の大自然を堪能する森林散策から始まります。この散策では、地元の植物や動物、そして北海道独特の自然環境について学びます。

 

次に、北海道の湖でのカヌーや釣りを体験します。地元の野生動物を観察しながら、自然と一体となることができます。また、四季折々の景色を楽しみながら、北海道ならではの大自然を満喫することができます。

 

そして、ツアーのハイライトとして、新鮮な海産物を使用した料理教室を設けます。ここでは、地元のプロの料理人から、新鮮な海産物を使った地元料理の作り方を学びます。その後、自分たちで作った料理を皆で味わい、北海道の海の幸を満喫します。

 

この企画は、北海道の自然と海産物という地域資源を活かし、旅行者に地元の人々との交流と共に、地域の魅力を体感してもらうことを目指しています。参加者はただ観光するだけでなく、地元の生活文化を深く体験することができ、北海道の魅力に更に引き込まれるでしょう。


3.2 企画案:ストーリーテリングを活用

ストーリーテリングを活用した「地元の歴史と文化を巡るストーリーテリングツアー」というオリジナルツアーを考えてみましょう。

 

このツアーは、地元の歴史的・文化的な場所を訪問しつつ、その場所にまつわる話や背景を地元の人々自身から直接聞く、ストーリーテリングを活用した観光体験です。

 

具体的には、まず、ツアーが開始する前に参加者には地元の歴史や伝説についての資料を提供します。その資料は、地元の人々が伝えてきた伝説や歴史的な出来事を元にしたストーリーが描かれています。ツアーが始まると、そのストーリーの舞台となった地元の歴史的な場所を巡ります。そこで地元のガイドからその場所の詳細な歴史や文化的な背景を語ってもらいます。

 

また、地元の伝統的な工芸品作りや料理のワークショップも設けます。地元の工芸家や料理人から直接指導を受けつつ、自分たちで作品を作ったり料理を作ったりすることで、地元の文化をより深く体験することができます。

 

この企画の重要なポイントは、情報を単に伝えるだけでなく、その情報が具体的な場所や体験とリンクすることにより、参加者により深く響くストーリーテリングとすることです。その結果、ストーリーテリングは地域の魅力を効果的に伝える強力なツールとなるのです。


3.3 企画案:顧客参加型の体験活動

3つ目の企画案として、「ハンズオン・コミュニティツアー」という顧客参加型のオリジナルツアーを考えてみましょう。

 

このツアーの特徴は、観光客が地元のコミュニティと直接関わり、地元の文化や伝統を体験できるという点です。このツアーでは、観光客はただ見て回るだけでなく、地元の人々と共に実際に何かを作ったり、活動をしたりします。

 

具体的には、地元工芸品の工房を訪れ、工芸家から直接指導を受けながら、自分で工芸品を作ります。また、地元の料理教室で地元の人々と共に料理を作り、それを共有する体験も含まれます。

 

さらに、地元の祭りやイベントに参加し、地元の人々と一緒に楽しむことも可能です。これらの活動は、観光客に地元の生活の一部を体験させ、地元の文化や伝統をより深く理解する機会を提供します。

 

この「ハンズオン・コミュニティツアー」は、観光客が地元の人々と直接関わることで、地域の文化や生活を実体験できるという新たな観光の形を提案しています。



4. オリジナルツアー企画を成功させるための急所


解決策を見つけた女性

4.1 良いリサーチと地域との連携

旅行業や観光業で成功を収めるためには、地域の特性を理解し、地域との良好な連携が欠かせません。ここでは、そのための良いリサーチと連携の方法を見ていきましょう。

 

1. 深いリサーチ:地域の歴史、文化、地理、経済などを深く理解するためには、広範で詳細なリサーチが必要です。地域の文化財や観光地、地元の祭りやイベント、名産品など、その地域ならではの特色を掘り下げましょう。また、地元の人々の日常生活や風習、価値観も重要なリサーチ対象です。

 

2. 地元との連携:地元の人々や団体との連携は、観光事業を成功させる上で重要な要素です。地元の人々の協力が得られれば、地域の深い部分を理解することができ、より魅力的なツアー企画やプログラムを作り出すことができます。地元の自治体、商工会、観光協会などと協力し、地元の人々を巻き込んだ活動を計画することが効果的です。

 

3. 地域資源の活用:地元の特産品や地元の人々の技術、知識など、地域の資源を活用することで、観光事業はより地域色を持ち、地元との連携を深めることができます。地元の工芸品作りの体験や、地元の料理教室など、地元の資源を活用したツアー企画を考えてみましょう。

 

4. フィードバックと改善:ツアーが終わった後も、参加者からのフィードバックを収集し、それをもとにサービスの改善を行うことが重要です。顧客の満足度を高めるだけでなく、地元の人々や関係者からのフィードバックを取り入れることで、地域との連携をさらに深めることができます。

 

以上のような方法を通じて、地域との連携を深め、観光事業を成功へと導くことができます。リサーチは地域の魅力を発掘し、地域との連携はその魅力を最大限に引き出すための手段です。そして地元の資源を活用し、顧客からのフィードバックを改善案として反映させることで、旅行者にとっても地元にとっても価値のあるツアーを創出することが可能となります。


4.2 効果的なストーリーテリングとマーケティング

旅行業や観光業において、ストーリーテリングとマーケティング施策はその成功に大きく貢献します。ここでは、その方法について詳しく説明します。

 

1. 地域の物語を作る:ストーリーテリングは感情的な結びつきを生む強力なツールです。地域の歴史、文化、特産品などから物語を作り出し、その物語を通じて観光客に地域の魅力を伝えましょう。地域の物語を作ることで、観光客はただ見るだけでなく、実際に体験することにより、地域と深く結びつくことができます。

 

2. エモーショナルな結びつきを強化する:旅行体験は、新しい場所を見るだけでなく、その場所とのエモーショナルな結びつきを作ることでもあります。感動的なストーリー、美しい写真や映像、心に残る引用などを使用して、旅行客の感情に訴えかけましょう。

 

3. 地元の人々を巻き込む:地元の人々がその地域の物語を伝えることで、よりリアルで魅力的なストーリーが作れます。地元の人々の声を取り入れ、彼らの日常生活や体験、価値観を共有することで、観光客は地域とより深く結びつくことができます。

 

4. デジタルマーケティングを活用する:ソーシャルメディア、ブログ、メールマーケティングなどのデジタルマーケティングは、ストーリーテリングを広く伝える効果的なツールです。特に、写真や動画などのビジュアルコンテンツは、観光地の魅力を伝えるのに非常に有効です。

 

5. フィードバックを活用する:顧客からのフィードバックやレビューは、マーケティング施策を改善するための重要な情報源です。旅行客の体験談や感想を共有し、それらをマーケティングの一部に取り入れることで、新たな顧客に信頼性と説得力を提供します。

 

これらの手法を用いることで、地域の魅力を効果的に伝えるストーリーテリングとマーケティング施策の実現が可能となります。ストーリーテリングを通じて旅行者の心に響くメッセージを送り、デジタルマーケティングなどを活用することで広範囲に情報を届けることができます。

 

スマートフォンを持つ白い服の若い女性

4.3 顧客参加型の活動のアイデア

旅行業や観光業における顧客参加型の活動は、観光客が地域やその文化に深く関わり、忘れられない体験をするための重要な手段です。以下に、具体的なアイデアをいくつか提案します。

 

1. ワークショップや体験クラスを開催する:地元の芸術家や職人によるワークショップや体験クラスは、観光客が地域の文化や芸術に触れ、新たなスキルを学ぶ絶好の機会となります。例えば、伝統的な陶芸体験、地元の食材を使った料理クラス、地元の音楽や舞踊のレッスンなどが考えられます。

 

2. 地元の祭りやイベントに参加する:地元の祭りやイベントに観光客を参加させることで、地域の文化や習慣を直接体験することができます。また、地元の人々と交流することで、地域に対する理解を深め、より深い結びつきを感じることができます。

 

3. 地域の環境保護活動に協力する:ビーチの清掃や森林再生プロジェクトなど、地域の環境保護活動に参加することで、観光客は地域に対する貢献感を得るとともに、地域の自然環境の保全についての理解を深めることができます。

 

4. 地元産品の生産過程を見学する:地元産品の生産過程を観光客に見学させることで、その産品に対する理解と評価を高めることができます。例えば、地元の酒蔵や農園を訪れ、製造過程を見学し、製品の試飲や試食をすることが考えられます。

 

これらのアクティビティは、観光客が地域の文化や自然、産業に深く関与し、その価値を理解する助けとなります。これらを通じて、観光客はただ観光地を訪れるだけでなく、地域と深い絆を結び、地域に対する愛着を深めることができます。



5. まとめ


まとめを指さす女性

5.1  地域の魅力再発見と業界への影響

価値共有マーケティング(Authentic Marketing)は、地域の魅力を再発見し、旅行業や観光業のさまざまな側面に影響を及ぼす力を持っています。

 

1. 地域の魅力の再発見:価値共有マーケティングでは、地元の人々や文化、独自の自然や歴史など、地域の本質的な魅力を強調します。これにより、観光客は地域を深く理解し、独自の体験を通じて地域について学ぶことができます。これは地域の魅力を再発見し、観光地としての魅力を最大化する手段となります。

 

2. 持続可能な観光業の推進:価値共有マーケティングは、観光業が地域の文化や環境を保護し、地域社会に対するポジティブな影響を持つことを強調します。これは、地域に対する尊敬と理解を深め、観光業が持続可能で責任ある形で発展することを促します。

 

3. 観光業の経済効果の増大:価値共有マーケティングにより、観光客は地域の体験により価値を見いだし、それに対してより高い価格を支払うことがあります。これは観光業の経済効果を増大させ、地域経済の活性化を促します。

 

4. 観光地ブランディングの強化:価値共有マーケティングは、観光地のブランディングを強化し、その地域が提供する独自の体験と価値を明確にします。これにより、観光地は競争力を持ち、観光客からの認知度と好意度を高めることができます。

 

以上のように、価値共有マーケティングは、地域の魅力の再発見から観光業の持続可能な発展まで、旅行業・観光業に多大な影響を及ぼす力を持っています。これらの視点から価値共有マーケティングを適用することで、地域に対する深い理解と敬意を表し、旅行業・観光業が地域社会と共に持続的に成長し、その魅力を長期的に伝えていくことが可能となります。これは、地域の持続可能性と観光産業の成功の両方を促進する道筋となり得ます。


5.2  今後の展望

価値共有マーケティング(Authentic Marketing)の手法を用いることで、旅行業・観光業は次のステージへと進んでいくことが期待されます。以下にその具体的な展望をいくつか挙げます。

 

1. デジタル化と地域資源の融合:今後、テクノロジーの進歩とともに、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用した地域体験の提供や、デジタルマーケティングを活用した地域の魅力発信がより一層進化するでしょう。これにより、観光客は実際に訪れる前の段階で、地域の魅力を体感することが可能となり、観光地選びの選択肢を広げることができます。

 

2. 持続可能な観光地開発:地域の自然環境や文化的資源を尊重し、これを保護・活用する取り組みは、観光地としての魅力を維持しつつ、持続可能な観光地開発を促進します。地域資源を活用したエコツーリズムなどの取り組みが、より重視されていくことが予想されます。

 

3. 地域コミュニティーとのより深い連携:旅行業や観光業と地域コミュニティとの連携は、既存のサービスをさらに発展させ、新たな価値を生み出す可能性を持っています。コミュニティーのメンバーが直接関わる旅行体験の提供や、地域の人々の物語を通じた魅力発信など、地域コミュニティとの連携を深める取り組みが進められるでしょう。

 

以上のような展望が見えてきた今、旅行業・観光業は、価値共有マーケティングを通じて地域の魅力を再発見し、その価値を世界に発信する役割を担う重要な時期に立っています。これらの展望が現実になるよう、取り組みを進めていくことが求められています。