
今日の論点
顧客に刺さる提案をするために
今回は「クチコミ客を増やす6つのステップ」のステップ2「ペルソナ」を解説いたします。ペルソナとは、顧客をひとりの人物像をまで落とし込んだものを指します。
ひとりの人物像まで落とし込んでしまって、それ以外のお客様は切り捨てるのか・・・いえ、そういうワケではありません。ご購入いただけるお客様は、基本的に皆さんウエルカムでございます。
それでは、ひとりの人物像まで落とし込む利点について、一緒に見ていきましょう。
目次
1.1 ペルソナを作成するプロセス
2. ペルソナを活用する理由とは
2.1 刺さる商品開発が可能になる
2.2 プロモーションの取捨選択が早くなる
2.3 社内での情報共有が簡単になる
3. まとめ
3.1 ペルソナの設定は顧客分析のあと
1. ペルソナで顧客に刺さる提案を考える

1.1 ペルソナを作成するプロセス
「ペルソナ」とは、自社の顧客をひとりの人物像にまで落とし込んだもののことを指します。価値観やライフスタイルなどを設定することで、顧客のニーズを明確化し、刺さる提案をすることが可能になります。
このペルソナと似た言葉として「ターゲット」がありますが、こちらは顧客の年齢、性別、住所、職業、学歴といった属性情報によるグループ化のことです。
実務で使用できるペルソナを作成するには、まずターゲットを分析して、グループごとの嗜好性や購買行動などを把握します。その後、ひとりの人物像まで落とし込んだペルソナを設定してください。ペルソナは誰かの頭の中で作られた仮説ではなく、データに基づく人物像であることに注意してください。
あと、わざわざペルソナを設定するのは、商品開発やプロモーションを実施する上で、この人物が「なにに困っているのか」であるとか、「どのような解決策を必要としているのか」などについて、具体的にイメージしやすく、円滑にプロジェクトを進めることができるようになるからです。
近年、特に顧客のライフスタイルが多様化してきていますので、このペルソナを設定することにより、顧客のニーズを外さない刺さる提案ができるようになるのです。
2. ペルソナを活用する理由とは

2.1 刺さる商品開発が可能になる
顧客のデータを分析した結果だけでは、ターゲットとするセグメントが、どのような購買行動を取るのか、なかなかイメージが湧きません。
ペルソナを設定して具体的な人物像にまで落とし込んであれば、それを使ってシミュレーションをすることが容易になります。商品が2種類あった場合、どちらを好むのか。どのような場合に商品を必要とするのか。どの様な頻度で購入するのか。ペルソナを頭の中でイメージして、購買行動などを取らせることが出来ます。
なおこのペルソナは、実際の顧客データに基づいて設定されていますので、購買行動を頭の中でシミュレーションしても、現実購買行動から大きく外れることはありません。これにより顧客に刺さる商品開発が可能となります。
2.2 プロモーションの取捨選択が早くなる
過去の購買行動やアンケート調査などを分析することで、どの顧客層に何が売れたのか、またその原因などを明らかにすることが出来ます。ただ顧客のプロファイルをいくつも設定して、それら全てに対してプロモーションを行えるほど、潤沢なマーケティング予算はありません。
マーケティングの施策を実施するにあたって、当然ながら選択と集中をせざるを得ないのですが、セグメントごとに検討を加えて取捨選択していたのでは、プロモーションの実施までに多くの時間が必要となります。
ペルソナを設定していれば「ペルソナに響くプロモーションとはなにか?」という問いに答えるだけで良いため、どの媒体を使うのか、クリエイティブはどうするのか、露出頻度の設定はどうするのかなどについて、迅速に回答することが出来ます。
2.3 社内での情報共有が簡単になる
マーケティング活動において、最も労力のかかる作業のひとつが社内の調整です。途中からプロジェクトに入っていくる参加メンバーなどもあるため、コンセプトの共有化にかなりの時間を取られることになります。自分たちが狙っている市場はどのようなものなのか、提供する商品はどのような価値をもたらすのかなど、これらのコンセプトを理解してもらう必要があるのです。
ペルソナを設定して「私たちが狙う人物像はコレだ!」と説明したあと、詳細に入っていけば、理解も早く、ズレも少なくなり、プロジェクトを円滑に進めることが出来ます。
3. まとめ

3.1 ペルソナの設定は顧客分析のあと
ペルソナを設定するのは、商品開発やプロモーションを実施する上で、とても便利だからです。ペルソナをベースにすれば、この人物が抱える課題や、その対策について、具体的なイメージが湧きやすくなります。またプロジェクトを進めていく上でも、社内における説明や調整の場面でも役に立ちます。
ただ「ペルソナ」を設定する事前準備として、顧客の嗜好や購買行動を分析しておく必要があります。高度な統計的手法を使う必要はありませんが、この部分を疎かにすると、現状が反映されていない「ペルソナ」が出来上がってしまいますので、注意が必要です。
是非、あなたの会社でも「ペルソナ」の運用を試してみてください。