顧客の本当の課題を探り出せ!

帽子で口を隠した女性

今日の論点


購入する理由を正しく知る

今回は「クチコミ客を増やす6つのステップ」のステップ3「埋没課題」を解説いたします。

 

顧客の購買行動を予測するために、多種多様なデータが分析されています。その結果、プロダクトに対する嗜好性やセグメントの類似性など、さまざまなことを把握できるようになりました。

 

しかしデータ分析だけでは、顧客がなぜその商品を購入したのか説明することが出来ません。相関関係は把握できるのですが、因果関係が把握できないのです。

 

今回は顧客の課題を深堀りして、「なぜ購入したのか?」について探っていきたいと思います。



目次


1. 見えていない課題を探せ!


宝箱と金塊

1.1 表層課題と埋没課題

はじめに「価格」と「価値」についてご説明します。販売側が設定した金額のことを「価格」と呼び、顧客側が感じた有用性のことを「価値」と呼びます。

 

商品やサービスをある「価格」で購入したときに、購入前に想像していたより大きな「価値」があったと感じると、顧客満足度が高まります。「価値」が「価格」を上回れば上回るほど、大きな満足度が得られるのです。

 

この満足度を高めるために必要なことは、顧客が抱えている本当の課題を解決することです。見えている課題ではなく、その課題を引き起こしている根源的な課題を解決するのです。見えている課題を「表層課題」、根源的な課題を「埋没課題」と呼びます。具体的には次のような例が挙げられます。

 

【美容室】

表層課題:髪を切りたい

埋没課題:モテるようになりたい

 

【英会話】

表層課題:英語でコミュニケーションを取りたい

埋没課題:会社で出世したい

 

【テニス教室】

表層課題:健康になりたい

埋没課題:友だちを増やしたい

 

 

この埋没課題を見つけ出すためには、顧客とコミュニケーションを取ることが、一番手っ取り早く確実な方法です。いくら頭の中で仮設を立てたとしても、実際のところは聞いてみなければ解らないからです。

 

「顧客とのコミュニケーションが重要」という話はよく聞きますが、雑談をして終わってしまうことが少なくありません。顧客が抱えている埋没課題はなにか、それを明確にするためにコミュニケーションを図ることが大切です。



2. 課題を深堀りする理由


アイデアが出たイメージ図

2.1 顧客満足度が高まる

満足度を高めるためには「価格」を大きく上回る「価値」を提供しなくてはなりません。埋没課題を解決することは、「私のことをよく分かってくれている」という特別感を提供することでもあり、顧客には大きな価値として認識されます。

 

これらの価値については、競合他社が簡単にマネできるものではありません。なぜなら、表向きには同じ商品やサービスを提供しているからです。しかし表層課題ではなく埋没課題を解決する提案であるため、顧客が受け取る情緒的な価値に、大きな差が生じているのです。


2.2 提案の幅が広がる

埋没課題に対する理解が深まれば、顧客に対する提案の幅を広げることが出来ます。先ほどの美容室の例であれば、「髪を切りたい」であればヘアカットしか提供できませんが、「モテるようになりたい」であれば、ファッションやトレンドに関する情報を提供したり、またそれらに関連する商品を追加で販売することも可能です。

 

美容室が追加でヘアワックスを売ろうとしても、同じ様な商品は至るところで売られているので、購入するモチベーションがありません。しかし、「モテるようになりたい」という埋没課題を解決するために、デートの前に自宅でヘアセットを行う際のテクニックを教えたとします。そのあとに「このワックスは伸びが良いからオススメ」と言えば、購入してもらうことができる可能性を、大きく高めることが出来ます。


2.3 競合他社への乗り換えを防ぐ

埋没課題に対する解決策を提案することによって、特別感という価値を提供した上で、提案の幅も広がれば、既に競合他社とは別のカテゴリーのビジネスを行っていると言ってよいでしょう。

 

情緒的な価値が多く提供されているので、顧客からすると競合他社へ乗り換えるモチベーションがなく、ライフタイムバリュー(生涯価値)の最大化にも繋がります。



3. まとめ


山に向かって両手を上げる登山家

3.1 答えは顧客が持っている

顧客満足度を高めるには、顧客とのコミュニケーションが大切です。ただ雑談をするのではなく、埋没課題を見つけ出すためにヒアリングをするという姿勢が必要です。

 

顧客は自分自身の課題や悩みを、積極的に話をしてくれませんが、聞けば答えてくれます。特にそれがその人にとって重大であればあるほど、能弁に話してくれます。答えは顧客が持っていますので、埋没課題を探り出すのだという目的意識を持って、コミュニケーションを図ってください。