病院をブランディングする方法とは


今日の論点

先日、知人の医者から、「TクリニックのT医院長のように有名になって、ドバイでヘリコプターに乗りたい。オレをブランディングしてくれ!」と言われましたが、有名になってテレビCMでヘリコプターに乗るより、コツコツお金を貯めてチャーターした方が早いとアドバイスしました。

 

T医院長のように有名にすることは難しいですが、地域で一番評判の良い病院にすることは、そんなに難しくはありません。今回は病院のブランディングについて、一緒に考えていきましょう。


病院をブランディングする方法とは クチコミ客を増やすブランド戦略 アルファブランディング

患者のクチコミは中規模病院にとって死活問題

行政は在宅医療と大病院を重視

2025年頃に団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、社会負担が大幅に増えていくことを「2025年問題」と呼んでいます。それに対応するため、行政は在宅医療などを含んだ地域包括ケアシステムの構築を進めています。

 

また難治性疾患や重症に対応するため、高度な医療を提供できる大病院に対する期待度も高まってきています。

 

行政の後押しもあり、在宅医療と大病院は今後、さらなる期待を集めていますが、その一方で中小の病院は、少しずつ経営が悪化していくものと予想されます。

 

これからの中小病院は、生き残りをかけたサバイバルゲームに身を置くことになるでしょう。そこで病院のブランディングに注目が集まってきているのです。


中規模の病院は恐ろしく評判が悪い

Googleマップを開いて「病院」を検索してみてください。左の検索結果に、あなたの周囲の病院の一覧が表示されると思います。

 

表示された病院をクリックして、少し下にスクロールすると、下に「クチコミの概要」という欄が出てきます。そこに患者から見た病院の評価が記載されています。

 

小さな病院や診療所は、比較的評判が良い傾向にあります。医師の人柄が、そのまま病院経営となって評価されているのでしょう。まぁ、とんでもない評判の小さな病院は、早々に市場から姿を消してしまうのだと思います。

 

それに比べて100〜300床ぐらいの中規模病院はどうでしょうか。5の評価の人もいますが、1の評価を付ける人が多いことに驚かされます。

 

中規模病院は評判の悪いところばかりで、評判の良いところなど、ほとんど存在していないのが現状です。


医療現場と世間のギャップ

では、なぜこれらの病院は、この低評価を放置しているのでしょうか。一般の企業であれば緊急会議の上、タスクフォースを立ち上げて、早々に改善を図っています。

 

病院側がこの低評価を放置しているのは、「病院は非営利団体でサービス業者ではない。患者からの評判を上げるよりも、より高度で適切な医療を提供することに注力するべきだ。」と考えているからではないでしょうか。

 

しかしながら、患者側は「病院はサービス業である」と考えています。病院も美容院と同様にサービス業として評価をしているのです。病院側からすると「お前たち、ふざけんな!」って感じなのでしょうが、どう考えるかは患者側の自由です。

 

このギャップこそが評判の悪さの原因なのです。


医療従事者は尊敬されるべき

医療は人の命を預かる仕事です。その仕事には重い責任があり、それが故に尊敬される仕事でもありますし、そうあるべきです。

 

でも現状はどうでしょうか。自己紹介で「〇〇病院の医者です。」と伝えると、「お医者さんですか。それは責任の重い大変なお仕事ですね。」と返ってくると思いますが、本当は「あぁ、あそこの医者か、ちゃんとしろよ・・・。」と思われています。

 

ではこの状況を変えるには、どうしたら良いのでしょうか。


患者は何に腹を立てているのか

そもそも、患者は何に腹を立てているのでしょうか。診療行為について、何かミスでもあったのでしょうか。

 

先ほどのGoogleマップの「クチコミの概要」を、もう一度読んでください。多くの患者が腹を立てているのは、診療行為についてではありません。病院側の「接客態度」に腹を立ているのです。(そもそも、客ではないのかもしれませんが)

 

疾患の原因や治療の方法について十分に説明しない医師、ぞんざいな口調の看護師、返事をしない受付、おしゃべりばかりの事務員・・・そんな内容のことがいっぱい書かれています。患者は彼らの態度に腹を立てているのです。

 

医師は説明しても解らないだろうと思っている、看護師は忙し過ぎて細かな対応ができない、受付は静かに対応しているつもり、事務員は楽しい職場で何が悪い・・・という感じなのでしょう。

 

病院は患者との接点をいま一度見直して、このギャップを埋める必要がありそうです。


顧客接点管理で地域No.1を目指せ

患者との接点を見直すにあたって、スカンジナビア航空の事例が役に立ちます。

 

スカンジナビア航空では、ひとりの乗客が1回のフライトで平均5人の接客を受けます。予約の電話対応、荷物の預け入れ、キャビンアテンダントの接客などが主な顧客接点です。

 

また1回の接客時間は平均15秒ということも、現場の調査で解っています。合計は「5人×15秒=1分15秒」となります。この1分15秒の接点だけで、乗客はスカンジナビア航空を評価するのです。

 

スカンジナビア航空ではこれを「真実の瞬間」と呼んでいます。この「真実の瞬間」をどのように使えば、乗客の期待値を上回ることができるのか、常に考えて行動しているのです。

 

あなたの病院では、患者が何人と接触するのか、またそれは何秒なのか、それらを把握しているでしょうか。

 

もし受付や待合いスペースから、事務員の机が見えるのであれば、あなたの病院は患者との接点について、何の関心も持っていないということです。事務員は患者を見ていないでしょうが、患者は事務員を見ています。患者側とすると、その待ち時間も接点なのです。

 

患者との接点を全て洗い出し、その全てで患者を満足させなければなりません。逆に言うと、それらの接点で全て患者の期待値を上回る価値を提供することができれば、あなたの病院の評判が急上昇することは間違いありません。3年も継続すれば、その地域でNo.1の評価を受けるでしょう。そもそも周りの中規模病院は、何の対策も講じていないのですから。

 

私どもでは「クチコミ客を増やす6つのステップ」という無料のオンラインセミナーを提供しています。その第5回目に「顧客接点」というセッションがありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。