シャッター商店街が再生しないワケ


今日の論点

チョット地方に行くと、チラホラ見られるシャッター商店街。 2000年(平成12年)に大店法が改正され、大手スーパーマーケットや複合商業施設の出店により、地元の商店街は廃れていった・・・とか言う記事を読んだことがある人も多いと思います。

 

今回はシャッター商店街が増えている原因を探っていきましょう。 

 


シャッター商店街が再生しないワケ

商店街に活気を取り戻す

大型商業施設の影響なのか?

小売業の事業所数

 それではこちらのグラフを見て下さい。経済産業省の商業統計の数字をグラフにしたものです。どう見ても、大店法の改正とは無関係に、小売業の事業所数が減っていますよね。

 

「大型商業施設が出来たために、地元の商店街が廃れていった」と言う図式は、マスコミ的には美味しいコピーなので、数字で裏付けることもなく報道されるのです。現実とはかけ離れている事は言うまでもありません。

 

商店街は自分たちで勝手に廃れて行ったのです・・・行政の誤った指導により競争力を失った事も原因なのですが、厳しいようですが自己責任の範囲内です。それでは一体何が誤っていたのか、検証してみましょう。 


商店街はテーマパークではない

地域振興の行政担当者は、当然ながら商売のプロではありません。それ故「商店街に多くの人が集まれば、再生するのではないか?」と考がちです。「そうだ!商店街をテーマパークにして、他の地域からも人を呼ぼう。人さえ集まれば、商店街は再生するはずだ!」・・・みたいな感じです。

 

うっかり、そう考えてしまった行政担当者は、昭和のレトロな商店街を作るために、税金で店舗の外装や看板を付け替え、あたかも映画のセットのような昭和の街並みを作ったりします。もはや商店街ではなく、テーマパークですね。

 

この様な地域振興活動は、マスコミにも取り上げられやすく、ブランディングも容易ですので、来客数は確かに増加します。

 

しかしながら、それで商店街が再生するのでしょうか?

 

もはや商店街ではなくテーマパークなのですから、観光客にアピールできるお店は潤います。漬物屋や洋菓子店であれば「おみやげ」を売れば良いでしょうし、飲食店などにも多くの人が集まります。

 

では、魚屋、肉屋、八百屋といった生鮮食料品を扱っているお店の場合はどうでしょうか。テーマパークで魚を持って歩いている人はいませんよね。こうしたお店は潤わないのです。さらに悪いことに、今まで来てくれていたお客様も「人が多くて嫌だ」と足が遠のくため、経営も日に日に厳しくなって来るのです。 


どうなったら再生?

では基本に立ち返って考えてみましょう。商店街の再生とは何を指しているのでしょうか。また、何が実現できれば、再生したことになるのでしょうか。私は地元のお金が地元で回るようになることが、商店街の再生だと考えています。これは商店街に限ったことではありません。

 

地方の集落の経済を活性化させる場合も、同じことが言えます。大規模店舗で商品を買うと、そのお金は地元から、大規模店舗を出店している会社の本社所在地(東京!?)へ流出してしまいます。お金が流出してしまうと、経済は縮小しますので、活性化を図ることは出来ないのです。 


再生のツボはコミュニケーション

遠くの大型スーパーマーケットで安い商品を購入するのではなく、少し価格が高くとも地元の商店街で購入するようになるためには、どうすれば良いのでしょうか。

 

単なる商品として比較すると、大規模店舗の方が価格が安いので、商店街は全く太刀打ち出来ません。商店街で売っているものは単なる商品ではなく、それに別の価値(バリュー)を付け加える必要があるのです(おっと、ブランディング風の話になって来ましたね(^^ゞ)。

 

商店街の商品にコミュニケーションをプラスしましょう。ただブログを開設して商品を説明したり、商品のこだわりをチラシにしたりする必要は、全くありません。

 

例えば、あなたが魚屋だったとしましょう。

 

”奥さん、今夜はブリ大根とかいかがですか?良いブリが入ったんですよ。富山県の氷見産。富山湾は魚の宝庫なんで、それを腹いっぱい食べたブリは、脂が乗ってて旨いんですよ。定置網で捕ってるんで傷も少ないですし、捕った船の上で氷漬けにするので鮮度も抜群。さっき八百屋のご主人が、今日は良い大根が入ったって言ってましたよ。塩を降った後、一度熱湯をかけて霜降りにして下さい。臭みがスッキリ無くなります。お酒も進んでご主人大喜びです!まぁ、酒屋の主人も大喜びになっちゃいますけどね。”

 

私が子供の頃は、この程度のコミュニケーションは、どこの魚屋も取っていましたが、いまの魚屋にはかなり高いハードルだと思います。商品の知識が欠落している上、積極的にコミュニケーションを取らない為です。行政が地域活性化と称して、税金を投入して来たので、自力で何とか打開する能力を失ってしまったのです。

 

もし行政が行うべき事があるとすれば、商店街の店主に対して、コミュニケーションには大きな価値があり、それは大規模店舗には真似が出来ないサービスであることを説明する事だけなのです。それ以上の手助けは必要ありません。商品だけではなく、コミュニケーションを付け加えて売ってみてください。良い結果が出ると思います。